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奈央と出会えたから。<251>

[730]  麻呂  2008-10-17投稿

『‥‥初めてじゃ‥‥ないし‥‥‥。』


多分――



聖人は知ってる――


そんなコト、



ずっと前から――





『初めて‥‥だろ?!』



そんな目をして見ないでよ‥‥‥。



『違うよ。聖人だって知ってるじゃん。
あたしが小6で‥‥んんっっ‥‥‥。』


あたしが、そう言いかけたトキ、



聖人が手で、あたしの口をふさいだ。



『言わなくていいぜ。それ以上は。』



どうして?!



それって――



現実逃避?!



『奈央は、今まで小6のトキの事故以外に、セックスしたコトあんの?!』



聖人の目が、逸らされるコト無く、



あたしの瞳に映っている――



クールな、その目は何時になく真剣そのものだった――



『ないよっっ。あるわけないじゃん。』


何でそんなコト聞くのよ。



そんなコト‥‥。



『じゃあ、奈央も初めてってコトじゃんっっ。』



優しく微笑まれた――



『あたしが?!』



思わず聞き返す――


『そう。初めてのトキは、好きなヒトとするものだろ?!』


ポンッ――



優しく頭を撫でられた――



『‥‥‥ひっ‥‥っっ‥‥‥。』



『奈央の処女は、俺がいただきぃ〜〜♪』



『ば‥‥ばかっっ!!‥‥ヒック‥‥‥。』



――へんなの‥‥――



『ばかぁ?!ばかはねぇだろ、ばかはっっ!!』



――また涙が出そうになるから――



『じゃあ、今の取り消すっっ!!』



――思わずひねくれてみた――



『取り消すだけじゃダメだぜっっ!!』


――ホントはそんなのどうでもよくて――



『じゃあどうすればいいの?!』



――あなたとずっと一緒にいられたら――



『‥‥‥‥‥。』



あたしは、ずっと幸せです――



『聖人‥‥‥?!』


『‥‥‥‥‥。』



いつか――



『怒ってるの?!』


『‥‥‥‥‥。』



ひとつになれる日まで――



『泣いてるの?!』


『な‥‥泣くかっっ。』



その日まで待っていてください――





大好きだよ‥‥‥



聖人‥‥‥‥‥。

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