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処刑生徒会長第六話・3

[644]  まっかつ  2008-10-29投稿
《西暦20ΧΧ年9月22日・東京都Y区飲食店街廃墟》―\r

最前線を志願したZ区立第一中学校生徒会長・太田カツヒロは早速その洗礼を受けた。

恐怖に満ちた血の洗礼だ。

《手柄を立てなさい》―\r

エウフセラ=ナールマンの声を、彼は何度も思い起こしていた。

多機能ゴーグルを何時もはなさない、彼よりも余程《会長らしい》同校副会長の事だ。

《手柄を立てて梅城会長に近付くのです》―\r

ああ、分かってるさ、副会長―\r

拳銃を持ちながら太田カツヒロは小さく呟いた。

勝っても負けてもこの無謀な戦いは大勢の犠牲を生む―\r

それを指導した梅城ケンヤには必ず責任追及の声があがる―\r

それまでに手柄を立て、しかも自らも犠牲を出したこの俺が、ヤツの命を奪う―\r

その後、今までの梅城路線を糾弾し、この俺が新たなる支配者の座に収まる―だったよな。

中々良く出来たシナリオじゃないか。


















だが―\r

事態は彼の予測を大きく覆す展開を示していた。

《第七中学校 三名負傷! 一時後退》

《右翼に展開した二校連合隊 戦力の三割を損失》

《このままじゃ突破される! 至急増援を…》

《司令部より連絡 8名を左翼に 》

《迂回隊との連絡取れません》

《もうダメだ 完全に囲まれた! うあぁあぁぁぁぁああぁあアァアァアァァァァ》







そう。

梅城ケンヤの作戦は、完全に《失敗》だったのだ!


銃声と悲鳴にまみれた無線を聞きながら、太田カツヒロは確信した。

こいつは負けるな―\r


元々兵力からして違う。

800名以上の敵に130人そこそこが総力戦を挑んでいるのだ。

しかもわざわざ敵の《庭》を択んで―\r

これで勝てる方がどうかしてる。


















しかも―\r

その相手を現場で指揮しているのが―\r














《アヒャヒャハャハャヒャヒャ!! どうした!!処刑生徒会長さんよ!!!》

とある広場で殺した敵から携帯無線機をひったくり、根岸タクトは狂笑の限りを尽した。

『この程度か?この程度なのかい?おまえらイジメ撲滅同盟とやらは』

血と臓腑で塗りたくられたそれに、彼はドラッグ臭い息を振り撒いた。

『だったらよ、俺がホンキにさせてやるよ』

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