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ロストクロニクル3―9

[460]  五十嵐時  2008-10-31投稿
タクトは、呪いの種類まで見破るとはさすが校長だなと感心していた。だが、呪いが死の呪いだということくらいタクトも知っていたことだ。
「タクト、何の話だったの?」
パールが呑気に聞いてきた。
「えっ、いや、別に・・・」
問題はその呪いの期限があと少ししか無いことだ。

「またあとでー」
「じゃあなー」
タクトたちは朝早くから起こされた。生徒たちが登校してくるからだ。
「コーディア先生に会えるのは学校が終わってからそうよ」
ミュークが起こしに来る前には、もう起きていたパールがミュークから聞かされたことらしい。
「あー、あの異常・・・じゃなくて、風変わりな先生のこと?」
校門のところまで半分寝ていたタクトが、寝起きの顔を擦りながら言った。
「タクト?まだ寝てるのか?」
タクトの眠そうな顔を見ていたウェドが笑っていると、前から子供たちの集団がやってきた。
「子供たちがこんなにいっぱい」
パールが三つ目の集団の多さに驚いているとき、一つの赤い影が走ってきた。
「あっ、昨日の奴だ」
「昨日の子だ!」
ウェドの呑気な声とタクトの声が重なった。
赤い影は昨日と同様にタクトたちを横切って行った。
「なんで走ってるんだ?」
後ろから追いかけて来たのは一人の少女だった。
「はーい、止まってー」
パールが平然と少女の前に立ちはだかった。
「何ですか?」
「あなたは何盗まれたの?」
「えっ?」
本当に訳が分からないといった様子だ。
「私は何も盗まれてません!退いて下さい!」
少女はパールを無理矢理退けると赤い影を追いかけて行った。
「良かったじゃないか。何も盗まれてなくて」
ウェドがパールを慰めた。
「何も盗まれてないのにどうして追いかけてたの?」

夕暮れ時になった。フラットはいつもの様に誰とも関わることなく下校していた。だから、もちろんフラットは知らないこのあと降りかかる災難も
「フラットー!逃げて!」
「なんだよ。シャープ」
「四人来るわよ」
「お節介だな。だから、それが?」
フラットはいかにも興味なさそうに言った。この世の全てに興味がなさそうだ。
「分からないの?だから、逃げなきゃ」
「いいよ。視界に入ったら自分で勝手に逃げるから」
その時
「おーい!フラットー!」
遠くの方で声が聞こえた。

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