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奈央と出会えたから。<262>

[580]  麻呂  2008-11-02投稿

* * * * * *

そんな、ある日の放課後――



掃除当番のあたしを待っていてくれたユカと、いつもの様に一緒に帰る筈だった。



『ユカ待たせてごめんね〜。帰ろっか。』



『別に、待つのはいいよ。お互い様じゃん。それよかさぁ、奈央。聖人とケンカでもしたの?!』



突然聞かれたユカの言葉に、少しだけ動揺してしまったのは何故だろう。



『え〜?!何で?!別にケンカしてる訳じゃないよ。』



『それならいいけどさ。何かあたしと帰る様になってから、聖人、一緒に帰らなくなったじゃん?!』



『あはは。そんなコトないよ。きっと聖人にも聖人の事情があるんだよ。』




聖人は、ユカとまた元の様に仲良くなれたあたしのコトを、喜んで見守ってくれている。



だから、わざとあたしとユカが2人で帰れる様に仕向けてくれているんだよね。


あたしは、そう思っているんだケド、



ちょっと都合良く考え過ぎかなぁ‥‥。




そんな会話をしながら、廊下を並んで歩くあたしとユカの背後から、



突然、とんでもなく大きな声が響き渡った。



『木下さん!!ちょっと来てもらえる?!』



振り返ると、そこにいたのは、3年生の青山サオリだった。

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