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壊れた脳漿は微笑みを知らない6

[552]  ask  2008-11-13投稿


母親を愛したい。
愛されたい。↑

悪魔の館に来た客人の、小林明弘という男の願いである。

年齢16歳。
半年程前から家に引きこもり、学校にも行かなかった。

そんな彼の唯一の理解者が、彼の母親である、小林美和子である。
彼の弱音や愚痴を、母親は真剣に耳を傾けていた。

彼にとって母親は、いわば希望の光である。



しかし、
そのわずかな希望さえも、失ってしまうのである。


母親が病により他界…。

絶望に陥った彼が、このサイトに足を運んだのは早かった。


母親を愛したい。
愛されたい。↑



小林明弘の純粋な願いは、悪魔の力により、叶えられた。


自宅に帰宅した小林は、母親の遺骨を墓から掘り出し、地下に置いてあるテーブルの上に広げた。


乾いた臭いが部屋中に充満した。

小林がその骨の真上に手をかざした。


すると……。


粉状の骨が再生し始めたのである…。

赤く生々しい肉片が生えてきて、血管が伸び、皮膚ができた。

生前の頃と全く同じ…、そこに母親の姿がある…。

髪の毛一本さえも、彼女のものと解る…。


ただ彼女の意識がない。


笑わないし、怒らない。顔色一つ変えない。

これじゃ死体と同じだ…。


続く

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