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奈央と出会えたから。<284>

[492]  麻呂  2008-11-28投稿

* * * * * *

それからの数日間は何事もなく、



平穏な日々が静かに通り過ぎていったんだ。



そんな、ある日のお昼休みのコト――



あたしが青山さんに呼び出されたあの日から、



気のせいか、



廊下を歩くと、やけに嫌な視線が突き刺さった。



『ねぇ奈央。この前の青山の一件。

結局、聖人はわざと青山にハメられた振りをしてたワケでしょ?!』



『うん。』



ユカのその一言に、


あたしは青山さんの一件が、



決してこれで解決したワケではないのだというコトを、



改めて思い知らされた気がした。



『青山、結構しつこいから。気をつけた方がいいね。

アイツのコトだから、また何か仕掛けて来ると思うよ。』



『そうだよね。あたしも、ずっとそのコトを考えてて、何だか落ち着かなくて。』



胸さわぎがする――


これから何か良くないコトが起きそうな――



『でも、あたしとしては安心したよ。

聖人が図書室で3年の女と抱き合ってたのは、青山の仕業だったと聞いてさ。

まぁ、聖人に限って‥‥とは思ったんだケドね!!

あれ?!あたし調子良過ぎ?!

あはははは。』



『そんなコトないよ。ユカは、あたしのコト思って、色々考えてくれたじゃん。
嬉しかったよ!!

ありがとう。

それに‥‥

あたしだって、聖人が、あんなに女のコに人気があったなんて‥‥知らなかったから。

やっぱ、不安になるし‥‥。

あたしが、そういう風に不安なキモチになるのって、

よく考えたら、それって聖人に対して失礼なコトじゃん‥‥。』



恋に不安は付きモノだなんて、



一体誰が初めに言ったんだろう――



そんな不安なキモチを乗り越えたトキにこそ、



きっと、最高なハッピーにたどり着けるんだろうな。



はぁ‥‥人を好きになるのって‥‥



苦しくて‥‥



切なすぎるよ‥‥‥。

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