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奈央と出会えたから。<285>

[541]  麻呂  2008-11-28投稿

『あたし、聖人と幼なじみで、小さい頃からの聖人を知ってるケド、

アイツ、絶対人を裏切るようなヤツじゃないから大丈夫だよ。

奈央は、聖人を信じていればいいんだよ。ねっっ!!』



ユカの言葉に、かなり励まされた。



そして、



聖人のコトを好きだったユカに、



そのセリフを言わせたあたし自身に対し、



嫌悪感を覚えた。



しっかりしなくちゃっっ。



あたしがこんな風にフラフラしたキモチでいると、



ユカに対しても失礼なんだから。





――と、その時だった――



『木下 奈央。

ちょっと来てもらえる?!』



聞き覚えのある声。


少しハスキーな、その声は、



青山サオリだった。


『は‥‥はいっっ。』



一言返すのがやっとなほどの緊張感に包まれたあたしは、



一瞬のユカの行動に、かなり驚いた。



側で心配そうに見ていたユカが、



何を思ったか、



あたしと青山さんの前に、立ちはだかったんだ。

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