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奈央と出会えたから。<291>

[622]  麻呂  2008-12-09投稿

えっ?!どういうコト?!



不意に発せられたユカのその一言で、



あたしの不安なキモチは益々強まり、



さらに、恐怖心さえも湧いてきた。



『あぁ?!何か言ったかてめぇっっ?!』



それに、



成沢さんの怖気づいた態度に腹を立てていた青山さんを、



今度はユカが、



火に油を注ぐかの様な言葉でキレさせてしまったから。



『先輩。奈央とあたしは犯罪者になるつもりは、ありませんから。』



犯罪者?!



な‥なんで犯罪者なの?!



さっきから“クサ”とか“観葉植物”とか。



あ〜〜っっもうっっ!!



一体何が何で、



どぉ〜なってるの???



分かんないよっっ!!



凛とした瞳で、青山さんと真っ直ぐ向き合っているユカは、落ち着いていた。



ユカったら。



何で、そんなに落ち着いていられるのよっっ?!



あたしは、もう‥怖くて、さっきから足が震えてるよ。



『‥‥ふぅん。分かったわ。

あたしが、せっかく選択肢を与えて、返事をここまで待ってあげたのに‥‥。

バカだよねぇ‥‥あんた達‥‥‥。』



青山さんは、呆れた様な表情をしながらそう言いかけ、



今度は、ユカに向けられていた視線を、あたしの方に向けたんだ。



『木下さん。まずは、てめぇからだ。

あたしの忠告を聞かないで、無視し続けたコトへの制裁は受けてもらうよっっ。
手ェ出しなっっ!!』



青山さんは、あたしの手首を掴んだかと思うと、



制服の袖を乱暴に捲り上げた。



成沢さんは、青山さんが、キレかかっている状態を見て、



さっきの勢いは、どこへいったのか、



すっかり大人しくなってしまっていて、


ただの傍観者の様に立ち尽くしているだけだった。



『聖人先輩の様な凄い男に惚れられるほどの魅力が、てめぇのどこにあるってんだぁ?!

ただのザコのクセに生意気なんだよっっ!!

おらっっ!!てめぇがどの位気合い入ってんのか見せてみろよ?!』



振りかざされた手の先に煙草が見えた。


い‥いや‥‥やめて‥‥‥。



ま‥聖人‥‥た‥助けてっっ‥‥‥。

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