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ブラッディ§レイン11

[635]  祐夜  2008-12-10投稿
ロミオは暫く無言のままアリスを抱いた…
すると、アリスから沈黙を破る様に語りだしたのだ。
「ロ…ミ…オ…泣か…ないで…」
「……アリス……」
ロミオはゆっくりと視線をアリスに向けた。
すると彼女はうっすら口元に笑みを浮かべ、
「フフッ…昔と…ちっとも変わらないね…貴方は…泣き虫で…優柔不断な所とか…でもね…私はそんな貴方が…大好き…」
アリスは自分の死期が近い事に気付いていた…
「…!?…嫌だ…聞きたくないよ…アリス…!そんな遺言みたいな言葉…」
ロミオは力無く答えた。
「うぅん…聞いて欲しいの…私の…最後の…言葉を貴方に…」
アリスは話しを続けて…
「私は多分…もうすぐ死ぬわ…でも…私の魂は…いつまでも…貴方と共にある…だって…私の…血液は…貴方の…中に流れて…いる…の…だから…きっと…いつまでも…繋がっているわ…私と貴方は…」
息が止まりそうになりながらもアリスは続ける…
「…ロミオ…私の事…忘れないでね…そして…もう二度と…私達の様な…殺人兵器を…造らせないで…お…ね…が…い……」
ここまで、言い切るとアリスは静かに目を閉じた…アリスの体から力が抜けた…そして、もう二度とその美しい瞳は開かれる事は無くなった…
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!!!」
ロミオは森中に響き渡る声を出して絶叫し号泣する…
「嫌だ!嫌だ!!嫌だぁぁぁあああ!!!ねえ!アリス起きてよ!?寝たフリなんて止めてさ!!起きてよ!!!!起きてよ!!!!!」
ロミオは、まだ、ほのかに温かい彼女の身体をキツく強く抱きしめる。
〓数分後〓
ロミオは、ようやくアリスの死を受け入れ、彼女の体を大木のフモトに寝かした。
アリスの顔は非常に穏やかな顔をしていて、まるで菩薩の様に見えた…
「分かったよ…アリス…君の願いは必ず僕が叶えてみせる…僕の事をずっと見守っててね…アリス…」
こうしてロミオは自分の心に深く、アリスとの約束を刻み付けたのだった…
〓第11話完〓

続く…

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