航宙機動部隊前史後編・26
案の定、と言うべきか、ガニバサがその弱点を見逃す筈が無かった。
彼と彼の十提督《ドラコーン》達は、見事なまでにガレンバルボとの直接対決を避け、『大した事ない』司令官が率いる部隊を執拗に狙い続けた。
物量で圧倒してやろうと言う銀河連合側の考えは、ガニバサによって、あっけなく蹴散らされ、全ての戦域が、彼等の血と残骸によって汚される結果となった。
ガレンバルボは焦った。
焦っただけではなく、彼は航宙軍事総同盟を撃破すべく、作戦を練り、行動を開始した。
それは、味方の全軍に意図的な敗退を演じさせると言う内容であった。
【我々に負けろと言うか
ただでさえ苦しい戦局なのに、更なる屈辱を押し付ける権利が貴様にあるのか!】
銀河連合諸隊は当然、この《腰抜け》戦術を聞かされて憤慨したが、
【ならば勝てる手を教えて欲しいね
私だって君達がここまでやられっぱなしじゃなかったら、こんな恥ずかしい策とやらを思い付くものか】
けんもほろろにあしらうガレンバルボに、反論出来る者は居なかった。
それ程までに、銀河連合大宇宙軍は追い込まれていた―\r
こうしてガレンバルボ主導の下、逃げ回り作戦は開始された。
当初は疑っていた航宙軍事総同盟も、敵の余りの不甲斐無さに、次第に油断と慢心にとらわれる様になって行った。
流石にガニバサは簡単には引っ掛からなかったが、その彼でさえ、守勢から反転攻勢に切り換える時期を早めようかと、考え出し始めた―\r
先ずはガレンバルボを撃破した上、銀河中央域全体を掌握すべくガニバサが決断と号令を下したのは銀河元号一五五五年の新年期になってからであった。
その為に、彼は敵の褌を横取りして、自らの部下達に、《弱い振り》をする事を命じた。
銀河連合の油断を誘い、ガレンバルボ自ら突出して来るのを待とうと言う腹積もりだった。
勿論これを罠と見越したガレンバルボだったが、しかし、それ以上に、直接対決以外に活路が無い事を、誰よりも熟知している以上、敢えて彼は騙された振りをして、純戦闘艦艇十万隻で勝負に出た。
対するガニバサも、精鋭八五000隻で、これに応じる。
騙す方と騙される方・罠を巡らす者と巡らされた罠を食い破ろうとする者―\r
めまぐるしく互いの立場を交代させながら、両巨星はいよいよ宿命の戦いを開始しようとしていた。
彼と彼の十提督《ドラコーン》達は、見事なまでにガレンバルボとの直接対決を避け、『大した事ない』司令官が率いる部隊を執拗に狙い続けた。
物量で圧倒してやろうと言う銀河連合側の考えは、ガニバサによって、あっけなく蹴散らされ、全ての戦域が、彼等の血と残骸によって汚される結果となった。
ガレンバルボは焦った。
焦っただけではなく、彼は航宙軍事総同盟を撃破すべく、作戦を練り、行動を開始した。
それは、味方の全軍に意図的な敗退を演じさせると言う内容であった。
【我々に負けろと言うか
ただでさえ苦しい戦局なのに、更なる屈辱を押し付ける権利が貴様にあるのか!】
銀河連合諸隊は当然、この《腰抜け》戦術を聞かされて憤慨したが、
【ならば勝てる手を教えて欲しいね
私だって君達がここまでやられっぱなしじゃなかったら、こんな恥ずかしい策とやらを思い付くものか】
けんもほろろにあしらうガレンバルボに、反論出来る者は居なかった。
それ程までに、銀河連合大宇宙軍は追い込まれていた―\r
こうしてガレンバルボ主導の下、逃げ回り作戦は開始された。
当初は疑っていた航宙軍事総同盟も、敵の余りの不甲斐無さに、次第に油断と慢心にとらわれる様になって行った。
流石にガニバサは簡単には引っ掛からなかったが、その彼でさえ、守勢から反転攻勢に切り換える時期を早めようかと、考え出し始めた―\r
先ずはガレンバルボを撃破した上、銀河中央域全体を掌握すべくガニバサが決断と号令を下したのは銀河元号一五五五年の新年期になってからであった。
その為に、彼は敵の褌を横取りして、自らの部下達に、《弱い振り》をする事を命じた。
銀河連合の油断を誘い、ガレンバルボ自ら突出して来るのを待とうと言う腹積もりだった。
勿論これを罠と見越したガレンバルボだったが、しかし、それ以上に、直接対決以外に活路が無い事を、誰よりも熟知している以上、敢えて彼は騙された振りをして、純戦闘艦艇十万隻で勝負に出た。
対するガニバサも、精鋭八五000隻で、これに応じる。
騙す方と騙される方・罠を巡らす者と巡らされた罠を食い破ろうとする者―\r
めまぐるしく互いの立場を交代させながら、両巨星はいよいよ宿命の戦いを開始しようとしていた。
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