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奈央と出会えたから。<297>

[554]  麻呂  2008-12-17投稿

さっきまでは、あれほど強気だった青山さんが、



今は何かに怯えているかの様にさえ思えた。



成沢さんは、そんな青山さんの姿を見て、どう思ったのかな。



きっと、



見たくなかったろうなって思う。



だって、



自分が尊敬し、



信頼していた番長の、



情けない姿なんてさ‥‥‥。





♪ ♪ ♪ ♪ ♪〜♪


そのトキ、



ミズホさんの携帯が鳴り響いた。



『はい。もしもし。あっ、聖人?!
うん。オッケ。今行くよっっ!!』



どうやら、



電話の相手は聖人らしい。



ふぇ〜〜ん。



聖人ぉ。



給食時間になってから、急に姿が見えなくなるんだもん。



きっと、



学校抜け出して、煙草でも買いに行ったんだと思ってたんだケド。



だいたい、聖人が給食の時間にいなくなるコトなんて、



絶対考えられないのにっっ。



あ゛‥‥それとも今日は、聖人の嫌いな“納豆モナカ”の日だったかなぁ‥‥???



あたしは大好きだケド♪





『‥‥奈‥‥央!!』



自分の世界に入ってしまったあたしに、


隣にいたユカが、



ひじで腕の辺りをつついた。



はっ‥‥!!!



今は、こんなバカなコトを考えてる場合じゃなかったんだ。


うぅ‥‥あたしのバカッッ!!





『青山。今、聖人から連絡があって、正門の前に着いたってサ。

もちろん京谷も一緒にねっっ。

外へ出るよ。

付いて来なっっ。』


ミズホさんがそう言うと、



さっきから泣きそうな顔をしていた青山さんが、



今度は青ざめた表情で、



正門前へ向かうべく、



だまって、ミズホさんの後に付いた。

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