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私の頼りないナイト5

[514]  速見 feat.雷導一樹  2008-12-23投稿
ナイトは即座にしゃがみ込む。

その体勢のまま後方へと退くようにして飛ぶ。

男達がその姿を目で追うことはもちろんだが、出来ていなかった。

ただ、華連にはその姿がはっきりと映し出されていた。

先程、最初に現れた時もそうだったが、男は上に飛んでいたのだ。

その動作が速すぎるためにあたかも瞬間移動でもしたかのように着地した時には見えていただけだった。

ナイトは体制を一度整えると同時に踏み込んだ右足に思いっきり力を込める。

男達が彼の姿を見つけたときには、すでにそこには彼の今現在の姿は残されておらず、残像のようなものがそこに残っているだけだった。

鈍いような衝突音が次々に聞こえ、あっと言う間に数人の男達はアスファルトにキスを迫る姿勢へと変わってしまった。

「あ、あの・・・」

幸いにして華連は無傷で、すでに全滅した男達の中を緊張しながら歩きナイトのところへと近付いた。

先程は出なかったはずの声も微かにだが出るようになってきているようだった。

「あぁ?怪我は・・・無いみたいだな・・・体も・・・無事、精神にも異常は見られない・・・」

そんなことを口にするナイトに華連はお礼を言おうとして口を開く。

「あの、あり・・ありがと・・・」

とお礼を言っている間に華連は自分の意識がぐるぐると渦巻くようにして、消えていくのを感じた。

そのまま華連の意識は虚空へと一瞬にして消え去ってしまった。

華連の体は無造作に地面へと放り投げられた。

「・・・いや、問題あったか」

ナイトがその倒れる体を支えるようにして抱いたのが何よりもの救いであった。



※御講読ありがとうございました。続きを書く予定はありませんが、もしも続くならば続いてほしいという人がお一人でもいらっしゃるならば、速見様と相談して続きを書きたいと思います。それでは…by雷導

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