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キャロルの秘密 15

[789]  キャロルの秘密  2008-12-24投稿
古賀は、じっと耳をすましている。
そして長い時間をかけて野沢のデモ15曲を聴き終えた。
「渡辺。8曲目をもう一度、流してくれ」
「はい」
古賀のプロデュースのやり方は、一度アーティストのデモを聴いて、その曲の良い所を、述べて、そのアーティストにまず自信を持たせ、その曲の世界感を掴ませるのである。
野沢の歌声が流れてきた。
「この曲のタイトルは?」
野沢は、嬉しそうに答えた。
「『明日の私』です」
古賀も野沢もじっと耳を済ましている。
「うん。この出だしが曲とよくマッチしてる」
古賀は続けた。
「このBメロの伸びもいい。そしてここからだ−明日の私は今日よりも−OKいいサビだ。渡辺止めてくれ」曲が止まった。
「この曲を俺が今日中にアレンジしておく。君は、この曲の詩の持つ世界感をよりよく、はっきりとイメージしてくれ。明日から、この曲を本格的に録ろう。今日は、ここまでということでお疲れ様」
野沢は、ソファーから立ち上がった。
「お疲れ様でした」
野沢はそう言って、マネージャーと共にスタジオを後にした。

感想

  • 30257: 揚羽:よしゃ?今日は、ここまで読んだ。 [2011-01-16]
  • 32949: 揚羽さん。見て戴いてたのですね。私は幸せ者です。投稿者より [2011-01-16]

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