(ID:43997) - 携帯小説！(スマートフォン版)

目が覚める

ツーンとした消毒の匂いと白い水平線のシーツが見えた窓からは日差しが入って春の匂いが微かにした

「えっ、私どうして!?」
いつもの発作だった先天性の心臓病をもっていて薬が無くなったので発作がでて救急車で病院に運ばれていた

季節は春爛漫で桜が満開に咲き誇り風が吹くと花弁が並木道を通る人の肩をかすめていた

「発作で運ばれたみたいよ会社の方は大丈夫だからゆっくり休んでね」
先輩の真未さんが隣に座っていた
「あっ、ありがとうございます」
先輩の真未さんは会社の同僚の間では憧れの人で優しい気遣いが嬉しかった

「あまり無理しないでね…何か困ったら電話してね」
そう言って病室から出て行った
独りいる病室の白い平坦な天井は今にも私の心を押し潰しそうだった

「またか…いつもの事だから…」

病室のカーテンが風に吹かれて揺れていた
私の溜め息と同じく桜の花弁がいつまでも舞っていた

感想はありません。