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Don't see the room

[444]  健太  2009-01-06投稿
その部屋は”みるなのざしき”と呼ばれていた。

長い廊下を渡ると左のトイルと反対方向に位置していた。

”見るな”と言われれば、覗いてみたくなるのが子供心というものである。

誰も居ないある日を見計らって覗いてみたが、不思議なもの変わったところは何ひとつなかった。

ところがのある夜中
妹の「トイレ・・・」
の声に連れられるように、妹を前に長い廊下を渡るや否や、妹はいきなり問題の部屋”みるなの座敷”を開けてしまった。

そこに目にした光景は
父の上に股上った上半身裸の母の姿であった。
こちらを振り向いた口からは”ミ、タ、ナ”の言葉こそ出なかったが、「お父さんとプロレスごっこしていたの、さあ−、もう、寝ようかな〜。」
なにも分からない妹は
「ママ!パパをいじめてはダメ−。」

後日祖母談話「あの部屋はの〜、御茶飲水博士が鉄腕アトムをつくったように、あの部屋でお前達もつくられたのじゃ、言ってみれば我が家の研究所みたいなもんじゃ、その間は邪魔してはならんからの〜、”みるなのざしき”と呼ばれてきたのじゃ」

遠い昔の話である。

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