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2階の・・・

[1237]  藤極  2009-01-06投稿

「今日は娘の誕生日だな」


「そうね・・・もうあれから一年経つのね・・・」


「そうだな・・・もしあの時ベランダの下にいたら助けることが出来ていたのにな・・・」


「今更そんなこと言ったってしょうがないじゃない」


「だけどよ・・・」


「取り敢えずケーキもプレゼントも用意したから2階に持って行きましょう」


「ああ」


と2階に上がっていった二人、しばらく思い出に浸ったあと下りてきた


「じゃ、もう寝ましょうか?」


「・・・よし、寝るとするか」


布団を敷き横になって眠りに入った頃


「ガラガラガラ゙ッ」「ピシャッ」


「今の音、何?」


「んあ?どうした?」


「何か音が聞こえたの」


「気のせいじゃないか?戸締まりはちゃんとしたんじゃないのか?」


「そうよね・・・じゃ大丈夫よね」

「大丈夫だよ。もし何かあったら俺がついてるから」


「やーだ、もう。・・・・・おやすみ」


「おやすみ・・・」




そしてまた


「ガッタン」「ガタガタ」「ドドドドッ」


「なに?なに?」


「なんだ?」


「あなたも聞こえた?」


「ああ」


「泥棒かしら?」


「・・・え・・え・・・」


「シッ!何か聞こえる」


「え?」


「・・・ねぇ・・・ねぇ」


ハッと後ろに振り返ると一人の少女が


「あっ洋子!何してるんだ?お前はもうこの世にはいないんだぞ」


と冷静を装い


「・・忘れ物を取りにきたの」


「何だ?」


「・・今日私の誕生日でしょ・・・?だからプレゼントをもらいにきたの・・・」


「そうか・・・それなら、お前の部屋にあるぞ」


「・・うん。もうもらった」


「じゃ何でまだいるんだ?」


「・・一人じゃ寂しいの・・・」


「それは分かるよ?だけどな父さん達はまだ死んでないんだ・・・だから一緒に行くことは出来ない!」


「・・それなら大丈夫だよ・・・さっき火を点けたから」


「な、なんだと・・・」


「あ、あなた見て・・・火・・・火が」


「ん、うわああああああ」



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