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アノ鍵(9)

[721]  キユデヒ  2009-01-07投稿
シャリン…シャリン…。
鍵の音が遠ざかり…。
そのまま意識も消えた…。やはり最後は僕の番か…。




ん?


僕は目覚めてしまった…。死んではいないようだ…。ここは病院?
どうやら、命は取られていなかった…。
左手の点滴がゆっくりと
落ちていた…。
右手を上げて頭を触ると
包帯が巻いてある…。
頭を撲られたもんな…。
誰かが運んでくれたのかな…?
また意識朦朧として…。
寝た…。

夢を見た…。
里英ちゃんが夢の中で
笑っていた…。
僕は一番楽しかった時の
思い出を浮かべているのかな…里英ちゃんの手を握ろうとするが掴めない…。
掴めない所かどんどんと
距離が離れて行く…。
そしてそのまま真っ暗な 海の中へ消えた…。
僕は必死で行かないでくれ!僕が悪かった!心の底から謝る!行かないで……!
その声と同時に目が覚めた!
夢か…。
汗だくな身体が一気に冷えて寒くなった…。

過去のあやまちを悔いていた…。
彼女の誕生日の日だ…。
バイト代を貯めて欲しがっていた時計を買いに行った…。
一軒目では売り切れだったので違う店を探した…。
やっと見つけたと思ったら後輩の崎谷ミュウがいた。

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