携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 恋愛 >> 奈央と出会えたから。<300>

奈央と出会えたから。<300>

[543]  麻呂  2009-01-07投稿

『龍二、ごめん。

あたし‥あたし‥‥。』



青山さんは動揺していた。



そうだよね。



言い訳すら、



考える余裕もないくらいに、



聖人とミズホさんの動きが早かったから。



『言い訳なんて聞いてねぇよっっ!!

てめぇ、よくも俺に恥をかかせてくれたな?!

俺は、てっきり聖人がオマエにちょっかい出したんだと思って、殴っちまったじゃねぇか!!

聖人は、俺が見込んだ唯一の男なのによ。

俺の後に、“魔羅威夜”を継いでもらおうとまで考えていたんだ。

それなのに、

俺は一瞬でも、自分が惚れ込んだ男のコトを疑っちまった‥‥‥。

サオリ。てめぇみてぇなクソ女に騙されるとは、俺も大したコトねぇ男よな?!』



京谷さんは、



金色の前髪を、ふわりとかき上げた。



その、



長い指先の間から見えた、するどい二重の瞳と、



整った鼻筋から、



青山さんが彼女になる以前から、



女のコの追っかけファンがたくさんいたという噂が、



改めて納得出来た。


その妖しい魅力は、


一体どこからくるものなのか、



聖人とミズホさんより2コ上の高3だって話は聞いていたケド、



なんか、



すごく大人の男のヒトって感じがした。


でも聖人の方がカッコイイもんっっ。



『龍二!!ごめん!!許して!!あたしを捨てないで!!

もう‥‥“クサ”の栽培も売りもやめるからサ!!』



青山さんは、



涙をぼろぼろ流しながら、



京谷さんに抱き付いた。



ケド、



京谷さんは、そんな青山さんの腕を振り払ったんだ。



『‥‥終わりだ。

てめぇとは、もう終わったんだよ。

女のてめぇを殴るワケにはいかねぇ。

とっとと俺の前から消えろ。

2度と俺の前にツラ見せんな!!』



『り‥龍二‥‥う‥‥‥あ‥‥あ‥‥。』



青山さんは、



その場にしゃがみ込んで、泣き崩れてしまった。

感想

感想はありません。

「 麻呂 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス