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奈央と出会えたから。<301>

[564]  麻呂  2009-01-08投稿

青山さんは、



京谷さんのコト、



本当に大好きだったんだって思った。



ケド、



なんで好きなヒトが嫌っていた、ドラッグになんて手を出したんだろう。



きっと、



青山さんは、自信があったんだね。



自分は、



京谷さんに愛されているって。



でも、



気付いたトキには、もう遅くて、



京谷さんの心は、



青山さんから離れてしまった。



さっきから側で、



冷静に2人のコトを見ていた聖人とミズホさんは、



やっとホッとした表情を取り戻しつつあった。



成沢さんは、



終始うつむきっぱなしだったケド、



最後に、



何かを思い立ったかの様に、



突然、ポツリと話し始めた。



『龍二。サオリは悪くないよ。

元々はあたしが、“クサ”の栽培の話を持ち掛けたんだ。

サオリが遊ぶ金が欲しいって言うから、
“クサ”を売って金を儲ける話をね。』


『そんなコトどうでもいい。

俺は、サオリに裏切られたコトが許せねぇ。

成沢が“クサ”の栽培の話を持ち掛けたって、コイツが話に乗らなきゃいいだけの話だ。

ケドもう、

サオリとは終わりだ。

後は、“クサ”の栽培で“カンベツ行き”になろうが、

中毒でイカれちまおうが、

俺には一切関係ねぇコトだ。』



そう言うと、



京谷さんは自分のバイクにまたがった。


成沢さんの、



青山さんに対する必死の弁護も、



虚しく終わった。

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