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エリザベスドール?(38)

[469]  ぐうりんぼ  2009-01-09投稿
 突入作戦の模様は、モグレ警部たちは直接見る事は出来ない。

 しかし、パトカー無線でチューニングを合わせる事で…

 兵士たちの無線のやり取りが傍受出来る。

「ジョージの言う通りだったようだね?」

 エリザベスが動き出して、アースルもルークもジョージの説を理解するようになった。

 自分の主張が間違いでなかった事に、ジョージは満足である。

 それにしても…

 バラバラになっても、死なないとは…

 改めて北の魔界の人形の強さを痛感した。

 ルークは無線のやり取りをジッと聞き入っている。

 が…!


―ルーク、ワタシヲ、タスケテ―\r

 ささやくように、耳に入って来る声なき声。

 助けを呼ぶ、若い女の声である。

 辺りを見回すが、女らしき姿はどこにも見えない。

 又、声が…

―オネガイ、タスケテ―\r

 声の主はすぐに分かった。

 ルークの心に激しい怒りが込み上げて来る。

(エリザベス! 又、あの化け物人形だ!)

 4号研究棟の方に見やるルーク。

―ルーク、イマデモ、アイシテルワ―\r

 又、エリザベスの声。

(畜生ォッ! どこまで、しつこいんだッ!?)

 ルークの怒りは益々、頂点に達した。

―ルーク、ダイスキ―\r

(エリザベス!)

―ウフフ、ルークハ、
 ワタシノ、モノ―\r

(冗談がキツいぜ!
 俺はお前のような、人殺しの化け物人形は、キライ何だよ!)

―ルークゥ…―\r

 耳を押さえ、悶えるルーク。

―ルークゥ…― 

 泣き出すエリザベス。

 1人で思い詰めているルークに、ジョージが声をかけて来た。

「どうしたんだ?
 顔色悪いぜ」

 ジョージからの声かけで、ルークはハッと我に返る。

「あ、いや! 急に、熱っぽくなったかなあって思って」


「大丈夫か?」

 心配するジョージ。

 隣にいるアースルが話しかけて来た。

「気分悪いんだったら、クルマの中で休まないかね? 場合によっては、運転手に自宅まで送ってやってもイイから」

「あ、ありがとうございます。でも大丈夫、平気ですから」

 無理をして、笑顔を見せるルーク。

 

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