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僕、日常、神様、悲壮2

[444]  hiro  2009-01-12投稿
「松井、今日は一体何を忘れたんだ?」いつものごとく僕は訊く。
「えーと、何だっけ」
「お前、忘れ物が何なのかを忘れたのか?」
「あぁ、最近さあ、ボケが始まったおじいさんみたいになってきたんだ」
そう言いながら、松井は自分の頭を撫でた。
「ボケの始まったおじいさんも気の毒だな、お前と一緒にされて」
その瞬間、後ろから柴犬のくしゃみが聞こえた。
その後松井が、「俺、トイレ」と言って学校に向かって走っていった。


教室は、人の体温のせいか、暖かかった。
席に着くと、僕はすぐに窓側の一番端の席に目を向ける。
そこには、僕にとっての女神が座っていた。
美優ちゃんだ。短めの髪が活発的な感じで、似合っている。
「おい、吉川。俺の話聞いてくれん?」
気付くと、すぐ横に横田が立っていた。
声をかけられなかったら、ずっと端の席を見つめていたかもしれない。
「ちゃんとオチはあるんだろうな」
「驚くなよ。素晴らしい話だぞ」
そう言って、横田は胸ポケットからピンク色の紙を取り出した。
「この手紙、さっき俺の靴箱の中にあったんだよ」
「で、誰から?」
「美優ちゃんからだよ。ラ・ブ・レ・ター」
横田は僕の耳元で囁く。
「実は、嘘ですなんてオチじゃないのか?」
少なくとも僕の声は震えていただろう。
地震で例えると、震度7強ぐらいの震えだったかもしれない。
ー続くー

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