4の呼吸 4-1
「3時になりましたよ。」
と、部下の阿部がソファにいる木戸を見た。しかし木戸は完全に眠りについていた。
「木戸さん、早く起きて下さい。行きますよ。聞き込み。」
「んん?ああ、もうこんな・・・・わかった、行こうか。」
警察署での待機時間の後、二人は被害者の通っていた小学校に向かうことに決めていた。
午後3時以降にしたのは放課後の職員室に教師が一斉に戻ってくる時間だし、それに何よりも被害者の両親から接触するよりも確実に情報が手に入ると踏んでいたからだ。
そういうわけで、木戸は寝起きのけだるさを感じながら署を出て、車の後部座席に乗り込み強めに扉をしめた。
バン、という大きな音に阿部は少しびっくりしたが何もなかったかのように、ハンドルの脇に鍵をさし、静かにエンジンをかけた。
ええと?確か市立戸塚小学校だったよな−−−
そう心の中で確認して阿部は車を走らせた。
外はまだ明るかった。
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