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セブンス・ソルジャー第四話

[603]  ガース  2009-01-18投稿
百揮とアズマがさっきまでいた街は阿鼻叫喚と化していたが、そんな事が起こっている事など知るよしもなかった…
「……百揮か?……」
アズマに連れられてコンクリート打ちの地上二階の建物の前まで来ると堅牢な鉄の扉の前に立っていた影がぶっきらぼうに話しかけてきた…
「……お父さん?……」
百揮が覗き込むように聞いと影の口元が優しく微笑んだ…
創一は50代に差し掛かっていたが見た目に若く痩せていて、ほとんど外に出ていないせいか色白で背丈も百揮と変わらない…優しい目元と少し高い鼻が二人の親子としての共通点のようだ。しかし普段の創一の口角は上がっていたが百揮は下がっている点だけが、お互いの歩んで来た人生を物語っているようであった…「…良く来たな…」
そう言うと創一は白衣で隠れた腕を伸ばし、百揮を抱きしめた…
「!?……」
百揮は恥ずかしさと嫌悪が電気のように体中を走ったが過去の様々な記憶が入り交じるように駆け巡り、逃げることを忘れて創一に身を委ねてしまった…
「創一…」
アズマは静かだが固い口調で、親子の抱擁に水を差した…
ゆっくりと百揮を離した創一は決意ある瞳を息子へ向けた…

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