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○●純+粋な恋●?

[634]  沖田 穂波  2009-01-22投稿

2-? 春の陰

その日は,朝から体がだるかった。

― 風邪かな?

純はそう思ったが,
教室を楽しみにしている子供達の為にも,休む訳にはいかなかった。

最後の子供を帰した後,
少し後悔した。
体調が悪かった為,子供達の話をちゃんと聞いてあげられなかったのだ。
子供達は,書道より純と話す事を何よりも楽しみにしている。
悪い事をしたと,
純は申し訳なさでいっぱいだった。

今日はさすがに散歩へは行かなかった。
桜並木の女の事が気になったが,今はそれどころではない。
朝よりも,体が重い気がする。

『何だその顔色は!?』

純の兄,京太郎は思わず大きな声を出した。
辛そうに振り向いた純の顔色は,今まで見たことが無い程真っ青だった。

『兄さん,すみません,
少し,体調が悪いみたいなんです‥。今日は,もう休みます‥。』

純は途切れ途切れに言った。

『ああ,早く休め。きっと疲れが出たのだろう。』

京太郎はそう言ったが,純の顔色を見る限り,ただの風邪では無いのではないかと,心配した。

『はい‥お先に,失礼します。』

その時,純はよろけて壁に手を付いたかと思うと激しく咳き込んだ。
床の上に,大量の血が一気に広がった。

純は,
崩れ落ちる様に,そのまま気を失っていた。

●○続く○●

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