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魔法的恋愛関係☆-?

[434]  はにゅう☆  2009-01-24投稿
私は、そこから見える学園の外をしばらく眺めていた。外にも緑が多い。この学園は森の中にあるんじゃないかと思ってしまうほど。
エニーもじっと外を眺める。
ちょっと重い雰囲気になってしまったから、
「エニーって、ここ来るの初めてなの?」
てきとうに質問。
エニーはこちらを見ずに答えた。
「そうだけど」
「どこなのかなあ?ここ。木と木のあいだに道があるなんて」
「さあ。というか、よく見つけたな、こんなとこ」
「じゃあエニーは」
すごい、会話してる。
普段のエニーは、自分を表に出さなくて、正直話しにくいところがあった。だから、まともに会話するのは初めて。
カイは誰にでもわけ隔てなく話してくるし、リーブは優しくて、女の子の扱いに慣れているみたいだ。
でも、エニーはいつも、皮肉をいったり人をいじったりすることしかしない。
もしかしたら、自分を上手く表現できないのかも。
「オレは、もともと知ってた」
エニーの声に、私は我にかえる。会話再開。
「知ってた…て、なんで?」
「一回、この学園に来たことあるから」
「…」
「言ったことないっけ?オレ、ハーフじゃないの。もとからこっち住んでたの。んで、たまたまこの学園に入って、そのときいた先輩が教えてくれた。来るのは初めてだけど」
「へー…私は、散歩してたら、見つけたの」
いったん、静寂が戻る。
私は階段にとしん、と腰掛けて、つぶやくように言った。
「なんか、まだ1週間しか経ってないのに、すごく疲れた。アリスってば、初日から飛ぼう飛ぼうって言うし、アニーは注意するふりしてちゃっかり乗るし、…。今日も飛ぶとか言ってたけど、たまには休みたいな」
一気にしゃべって、エニーをみた。エニーは背を向けていた。
ひとり愚痴って、なんだか恥ずかしくなって、ごまかしついでに、
「ごめん、愚痴言って」
話しかけた。
エニーの肩が細かく震えてる。
「ん?もしかして、笑ってたりする?」
エニーが私を向いた。
「だってさー、ひとりでムキになって愚痴って、わけもなく謝って。おかしいーぃ」
その言葉に、私はムッとする。
でも、不思議と悪い気分じゃなかった。

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