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○●純+粋な恋●?

[520]  沖田 穂波  2009-01-27投稿

3-? 初夏の路

『師匠ぉ!!』

凄い勢いで,部屋に生徒が駆け込んできた。
それは紛れもなく,粋乃の弟,拓和だ。

『おやおや,元気ですねぇ拓和は。1人で来たのですか?』

純は拓和の頭を撫でた。
昔から純は子供が好きなのだ。

『ううん,姉さんと一緒に来た!!』

『お姉さんと?』

『こら拓和!!挨拶も無しに失礼でしょう!!』

遅れて拓和の姉,粋乃が入ってきた。

『拓和が,いつもお世話になっております。』

粋乃は手をついて丁寧に頭を下げた。

『書道家の淡矢純です。拓和君にお世話になっているのは,むしろ私の方なんですよ。』

純は顔を上げた粋乃を見て思わず息が止まった。

『あ,あなたは‥』

『初めまして‥ではないですね,拓和の姉,階堂粋乃です。先日はありがとうございました。』

先日とは,初めて粋乃と出会った桜並木の墓での事だ。

『驚いたなぁ,まさかあなたが拓和のお姉さんだったなんて‥』

純は,急に嬉しさがこみ上げた様な気がした。

『そうですか?私は,最初からあなたを知っていましたよ,』

ー 最初から?

純が疑問に思った時,

『師匠ぉ,どうして教室お休みなの!?』

拓和が割り込む様に純に尋ねた。


●○続く○●

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