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奈央と出会えたから。<312>

[602]  麻呂  2009-01-28投稿

* * * * * *

中間テストが終わったら、



次に来るのは体育祭。



そう、



体育が苦手なあたしにとっては、



ちょっと憂鬱な1日――



『体育祭の種目についてだが、全員参加の種目以外については、一応希望を聞く事にするが、

希望者が複数名いる場合は、くじ引きで決めたいと思う。』


渋川が体育祭についての説明をすると、


クラスメイト達は、その話題で盛り上がっていた。



希望なんてないわよ。



体育2。



もしくは1のあたしにとっては、



全員参加の玉入れと、綱引きだけでいいのに。



『奈央は、何出んの?!』



『うん。あたし運動音痴だから、簡単なのがいいなって思ってるんだケド。

聖人は?!‥‥あっ‥‥ごめん!!お休みだったよね。』



あたしってばバカ!!



体育祭に出られないコト、



聖人だって気にしてるのに――



『おぅ。こういうトキだけ、心臓が弱いってコトが、いい口実になるんだよな。』



聖人は、そう言って笑った。



『あはは。じゃあ、聖人は、応援団長だね?!』



『バカ!!やらねーよッ!!』



本来、運動神経が特に優れている聖人が、



体育祭に参加出来ないのは、凄く残念だと思った。



でも、



聖人が心臓が弱いというコトについて、


周囲の誰もが、それを感じさせられたコトがない位に、



聖人の病状は安定していたんだ。



『いいよな!!

誰かサンは、いつもそうやって、この面倒くせー行事をスルー出来るんだから!!』



突然、あたし達の方へ向かって飛んで来たのは、タツヤの言葉だった。

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