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○●純+粋な恋●25

[462]  沖田 穂波  2009-02-07投稿

5-? 初秋の桜

粋乃は純の部屋の前で
ばったりと京太郎に出くわした。
京太郎は,
泣いている粋乃を一瞬目を丸くして見たが,
すぐに粋乃を自分の部屋へ入れた。


『純を,恨まないであげて下さいね。』

粋乃の茶を入れながら言った。
京太郎は全てを察していたらしい。

『純さんを恨むだなんてあるわけないです。ただ,悔しい。』

『悔しい?』

『今まで気付く事が出来なかった。私は,純さんの重荷だったのだと。』

粋乃はまた泣き出しそうな顔をしている。
京太郎は手元のお茶をすすった。

『そうでしょうか。
純が,あなたを重荷だと思っていたのなら,あんなに幸せそうな笑顔を見せるわけないですよ。』

『‥。』

『それに‥』

京太郎は茶を置いて粋乃を見た。

『純は,本当にあなたを愛していました。』

一番気になっていた答えを京太郎に言われ,粋乃は思わず顔を上げた。

『何故,何故そう言えるのです?』

京太郎は
穏やかに笑った。

『あなたの幸せを一番に願った事が,何よりの証拠ですよ。』

目元が純に似ている。
そんな京太郎を見て,
粋乃はまた涙した。

●○続く○●

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