4の呼吸 4-2
木戸と阿部の二人は予定通りに小学校に到着した。
「まずはどこに行くんだ?」
「それはもちろん校長室に挨拶しなきゃだめでしょう?アポ取ってるからって、いきなり来て、はいどうぞとは行かないでしょうし。」
そうだな、と軽く頷いて木戸は車を降りた。それに続くように阿部も下車し、校舎へ向かった。
「今日は特に暑いな。」
と木戸はつぶやいた。
「"オンダンカ"ってやつか?」
「確かに最近よくいいますよね、でも今年のは違うみたいですよ。何かエルニーニョとかなんとかって。世界規模の異常気象らしいっすよ。」
「まあ根拠があってこんなに暑いんだったらなんか納得しちゃうよなぁ。何でもかんでも"オンダンカ"で済ましてほしくないからなあ。」
木戸の言う通り、今年の夏はひどく暑い。毎日平気で気温が40℃を行ったり来たりしていた。その熱風が、涼しい車内を降りた瞬間に二人を襲った。
校舎の中に入り、下足室の突き当たりを右に曲がる。廊下をすすむと、右側に事務室、職員室、そして校長室があった。
コンコン。
阿部が躊躇せず扉をノックした。
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