龍虎の目覚め?
「卓也君、今度僕にも空手教えてよー」
「健太にできる訳ねーだろ。サンドバックにならなれると思うけどな。」
「卓也君のサンドバックになったら死んじゃうよ!!」
いつものように二人で電車に乗り、笑い話をしながから帰って行った。
「じゃあねー卓也君。また明日ー」
「ぉう」
二人は別れ、それぞれの家に帰って行った。
卓也の家は山奥で道場は木々に囲まれていて健太と別れてからまた20分くらい坂道を昇った所にある。
家の門の前に来るといつもは聞こえる稽古の声が聞こえない。
「今日休みだったけか……」
あの父親がこんな静かな稽古をする訳がない。
しかし実際の静寂以上に何か不気味な静けさがある。不審に思い、道場の方へ行った。
するとそこには信じられない光景が広がっていた。
−−−なんだよ………これ…………
道場生が全員倒れている。
「勝さん!!広橋さん!!」
倒れている道場生に声をかける。
「!……卓也君………」
「どうしたんすか!?」
「いきなり……背の高い長髪の男が入ってきて……」
「卓也君!!先生が危ない!!」
「親父が!?」
卓也は走って奥の父親の部屋へ向かった。
「親父!!」
すると長髪の男と卓也の父、重太郎が向かい合っていた。
「…卓也!!逃げろ!!」
次の瞬間だった。長髪の男が目にも止まらぬ速さで重太郎の腹に蹴りを入れて重太郎はそのまま崩れ落ちた。
そして重太郎をそのまま抱えこみ長髪の男は道場を出て行こうとした。
「待てこらぁぁっっ!!」
卓也は長髪の男の背中めがけて蹴りをいれようとした、しかし、
「!?」
片手で男はそれを止め、思いっきりそれを握った。
バキッ
「あぁぁぁ!!」
卓也は悲鳴をあげた。
長髪の男はその足を離し、卓也の腹に手刀を入れ蹴り飛ばした。
卓也はそのまま壁に頭をぶつけ、意識を失った。
男を少しも表情を変えず道場を出て行った……。
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