携帯小説!(スマートフォン版)

[1026]  ケィ。  2009-02-15投稿
悲しい時は、傘をさします。

私の大好きな、赤い傘。

悲しいことが多すぎて、赤い傘から雫が落ちます。

真っ赤な、温かい雫が、次から次へと溢れます。

何故こんなにも悲しいのでしょう。

何故悲しいことはなくならないのでしょう。

私は泣きたい。

けれども私の瞳は渇いてしまって、透明な一滴の涙さえ流れてはくれないのです。

だから私は傘をさします。

傘をさす時、私は泣いているのです。

抑えようのない悲しみに身を浸して、必死にあがいているのです。

そうしてその悲しみをあなたに理解して欲しくて、今あなたをさすのです。

私の大好きな、この赤い傘で。

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