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神の丘〜序章〜?

[656]  佐奈  2009-02-16投稿
9月8日

小さな村で 一人の子供が生まれた

世から祝福され 皆からうとまれる子供が‥


「こっちだー!!」

寝待月が輝く澄んだ夜にサイレンと赤い無数の光無数の警官の声。
それはマンハッタンの中心にあるドルス美術館でおきていた。

「奴はどこに逃げた!」

「はっ!マルカス警部!!美術館の全出入口と思われる場所はすべて包囲しました。残るは屋上のみかとっ!」

「よし!奴を追い込むんだ!!」

「はっ!!」

警官隊の波が、一気に屋上に流れ込んでいく。

月の光をかき消すほどのライトの光が辺りを照らす。そこに一人の青年が立っていた。

銀色の短髪に深くかぶったキャスケット、夜風になびくロングコート。けして長身ではない華奢な体つき。手には布に包まれたドルス美術館1番の名画”赤い晩餐”を握りしめていた。

「もう逃げ場はないぞ!観念しろ”マリア”!」

じりじり青年を取り囲んでいく、マルカス警部と警官隊。

うつむく青年の口元がニヤリと笑った。その瞬間、手に持っていた名画を空高く投げた。

「なっ…なにを!国宝吸の名画だぞ!!」

警官隊が名画に気をとられている隙に、青年はヒラリと屋上から飛び降りた。

「川だ!裏に流れる川から奴は逃げるきだ!下の船上隊に連絡をしろっ!」

屋上から身を乗り出しマルカス警部が叫ぶ

「はっ!‥あっ‥あれ?」

「どうした?」

「む‥無線が通じません!」

「なんだと〜〜〜!!」



ダン!!

「なぜだ!!なぜ50名の警官隊が居ながら、たった一人のこそ泥を捕まえることができん!!」

黒い髭を八の字に生やした、少し小さく、すこし太った男が声を荒立て机を叩く。

机の上にあるプレートには”ミクロス・カーター警視”と書かれてある。

つづく

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