4の呼吸 4-3
「はい、どうぞ。」
そう中から声がした。
阿部が扉を開けると、そこには中年の女性がいた。白髪混じりではあるが髪の毛は整えられ、服装も来賓を迎え入れるには相応しいものだった。おそらく彼女がこの学校のトップなのだろうと阿部はたずねた。
「あなたが校長の佐久間さんですか。」
「いいえ、残念ですが、校長の佐久間は市の懇談会に出席してて不在なんです。私は教頭の・・・」
というと、彼女は名刺をとりだした。
「石川みやこ、と申します。」
「どうも、戸塚警察暑の阿部と申します。」
阿部がそういうと、木戸も自己紹介をした。そしてすぐさま、本題に入った。
「今日は、北澤真一君の事件について、調査させていただきたいのですが。」
「お話は聞きました。今朝のことですし、子供達にはショックのことでしょうから、このことは教職員にしか伝えていないんです。そこのとこはご配慮お願いします。」
木戸は理解したように深く頷いた。
「わかっています。それでは・・・」
というと、終礼のチャイムがなった。
「それでは、生徒の資料を見せていただけますか。」
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