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同じ夢

[890]  さ・さ・ら  2009-02-20投稿
最近ずっと同じ夢を見ている。

真っ暗な空間に私が1人。
周りは何も見えない。
私は誰かに自分の存在を知ってもらいたくて大声を出そうとするが肝心な声が出せない。

私は夢から覚めると汗だくの身体に毎回自分の声が出るかを確認する。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「また、同じ夢…」
一体この夢は何なのだろうか?

数日後、私はこの夢の正体を知る事になる。


私は友達と建設中止になった建物の中で‘かくれんぼ’をして遊んでいた。
私は隠れる場所を探しているのに夢中で地盤の弱い床を通ってしまい底がぬけてしまい下に落ちて気絶してしまった。


「いてて…」
どの位経っただろうか?
私は痛む身体を摩りながら周りを見る。
見た感じ地下室のようだ。
自分が落ちた穴を見る。
とても私ひとりでは登れそうにない。
他に出口はないかを探して見る。
建設途中だった為か出口らしい出口は見当たらない。

その内、友達が見付からない私を心配して探しに来てくれる。
と、私は穴の近くで体育座りで待っていた。

案の定、しばらくしたら私を呼ぶ友達の声が聞こえきた。
私は大声で「ここだよ〜」
と叫ぼうとしたが何者かに口を塞がれてしまい声が出せなかった。
私は「んぅ〜(ここ〜)…んぅ〜(ここ〜)…」
と口を塞がれた状態で地下室の奥へ引きずり込まれてしまった。


それから20年…
私は未だ誰にも見付けて貰えずにいる。
そして上には新築のマンションが建設されている。
私のいる地下室は新築マンションには必要がない為、穴を塞がれその上から土を被せた。

「……どうして、友達は…私を…見付けて……くれない…の?」
私は真っ暗な中、今も友達を待っているのです。
未だ何者かに口を塞がれ、声が出せない状態で…
「私は……ここだよ」

おわり

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