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Inosent Hearts1

[366]  坂崎金太  2009-03-04投稿
――目を開けると朝だった。
そう形容しても違和感が無いくらい、いつ眠ったか分からないのだ。
「ふぁ〜あ……寝た気がしないな……」
時計を見ようとゴロリと仰向けの体を反転させた。
ペキッ。
――と、何か不吉な音が聞こえた気がした。
「……?」
音が聞こえた辺りを見ると、そこには寝る前に聞いていたCDのケースがあった。
……正しくは、CDケースだったものだが。
「あー……やっべ……どうしような?」
虚空に問いかけて見たが、空しくも答えはかえって来ない。
その割れたCDケースは幼なじみのものだった。
そして時計は、4時7分28秒を指したままその針は硬直していた。

「なんていうか……今日は厄日か?」
虚空に聞いても、虚しいだけである。寂しすぎるからやめた。
仕方なく携帯で日にちを確認すると、日曜日の午後1時半を提示している。
「……」
朝というか、昼間だった。
なんていうか、厄日である。
自業自得だと思っていない小昂恵太は、そう思うしかなかったりする。

携帯を呆けたように見つめていた恵太は、幼なじみからの電話に即座に対応出来た。先ほど器物損壊の大罪を犯したばかりなので、妙な緊張が走る。
「もしもし、恵ちゃん起きてる?」
「もしもし。寝てたら電話取らないよ。……で、何の御用で?」
少々冷や汗を掻きながら質問する。仮にも「前貸したCD返して」なんて言われたらどうしようない。
「んー前に貸したCD返して欲しいんだけど、今日は無理?」
……ごめん、勘弁して。
予想というか、悪い想像をモロになぞっている言葉に一瞬絶句した。
「うーん、今日動けないな……なんかそんな気分」
嘘ではない。下手に動きたくはないのだ。厄日だから。
「無理に動かなくていいよ。あたしが行くから」
墓穴を掘ってしまった。厄日はやっぱり厄日である。
「あー……イテテテテ!腰が痛い!俺今から病院行くから家にはいない!」
作戦変更。変なところで頭が回るのは親の遺伝だ。
「大丈夫。もう恵ちゃんの家の近くだから」
……なす術はない。お手上げである。何が大丈夫なものかチクショウ。

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