思い出をトッカータにのせて(第1章1)
《憂うつだ》
こんなに憂うつな日はあっただろうか。いや、ないだろう。(反語)
そんなことを考えながら、私(矢田優子)は校門をくぐった。
本鈴の5分前を告げる予鈴が鳴っている。
この学園に入学してから6回目の4月。
…そして最後の4月…。
新年度の登校初日。
まだ幼げな面影を残したままだった6年前の入学式の日でさえ、もっと希望に満ちていた。
《みんな、これ見たらなんて言うかな…》
私は前髪をいじりながら歩き続けた。
やたらと広い玄関で春休み中に新調した白い上履きに足をとおす…。
どうやら私が最後らしい。他のクラスメイトの靴箱には全て、黒く、鈍く光を反射する革靴がはいっている。
玄関から中央棟を通り、高校棟へと続く渡り廊下を進む。
3階の突き当たりの教室。新年度の引っ越し前の私たちの教室…。
本鈴が鳴るまであとわずか。ギリギリセーフだ。
ドアを開け…
こんなに憂うつな日はあっただろうか。いや、ないだろう。(反語)
そんなことを考えながら、私(矢田優子)は校門をくぐった。
本鈴の5分前を告げる予鈴が鳴っている。
この学園に入学してから6回目の4月。
…そして最後の4月…。
新年度の登校初日。
まだ幼げな面影を残したままだった6年前の入学式の日でさえ、もっと希望に満ちていた。
《みんな、これ見たらなんて言うかな…》
私は前髪をいじりながら歩き続けた。
やたらと広い玄関で春休み中に新調した白い上履きに足をとおす…。
どうやら私が最後らしい。他のクラスメイトの靴箱には全て、黒く、鈍く光を反射する革靴がはいっている。
玄関から中央棟を通り、高校棟へと続く渡り廊下を進む。
3階の突き当たりの教室。新年度の引っ越し前の私たちの教室…。
本鈴が鳴るまであとわずか。ギリギリセーフだ。
ドアを開け…
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