携帯小説!(スマートフォン版)

着信

[1025]  響音  2009-03-09投稿
ある日、携帯に着信が入っていた。
知らない番号。
間違い電話だろうと思い、そのままにしておいた。

3日後。
また着信が入っていた。
この前と同じ番号。

誰か番号変えたのか?

かけ直そうかと思ったが、気付いた時間も遅かったのでやめておいた。


次の日、仕事が終わり携帯を見ると
あの番号。

…何だこれ

思わずゾッとした。
着信画面が全てあの番号で埋められていた。

かけ直すのも気持ち悪い。いたずらにしてもタチが悪い。
その場で着信拒否を設定した。



ピリリリ ピリリリ…
枕元で続く着信音。
睡眠を妨害され、苛つきながら通話ボタンを押した。
『……ザザザザ…
ザザッ…』

耳障りなノイズ。

電波が悪いのかと思い、電波状況を確認しようとすると
ディスプレイにはあの番号。

一気に目が覚めた。

何で。
確かに拒否したはずなのに。

「お前誰だよ。この前からいったい何なんだよ」
溜まっていた怒りをぶつける。

『…ザザ…
   ザッ  …たの?』ノイズに紛れ、女の声。

『忘れ ザッ… の?』

『私の事
忘れたの?』

確かに聞き覚えがある声。しかし誰だか思い出せない。

『カナだよ。
1ヶ月前に会ったよね』

ザワッと鳥肌が立った。
そんなはずはない。ありえない。

『ねぇ、すごく痛いよ。首から下がないんだ。あたしの身体はどこ?』

バカな
そんなバカな事あるはずがない

『ねぇ、どこにやったの?返してよ。返して。返して返して返して返して』


ゴトン
プツッ、ツーツーツー…

床に携帯を落とした拍子に通話が切れた。
布団を頭からかぶる。震えが止まらない。

何故
ありえない
あの女は

あの女は確かに殺したはずなのに


ピリリリ ピリリリ…

着信。
鳴りやむのをひたすら待った。

ピリリリ ピリリリ ピリ…

やっと鳴り終わったと思った時


「返して」

吐息と声が耳元で聞こえた。



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