Push!Push! #17
里田さんのラッシュに
天地さんが押され
後ろにバランスを崩した
同時に
カチン
という音がしたと思った瞬間
里田さんの膝が崩れた
なんとか踏ん張ったが
少しフラついてる様子だった
(まただ…)
なぜ里田さんが、そんな状態になったのか
おれからは死角になっていて
見えなかった
「振り大きいし雑やわぁ」
少しモウロウとしている里田さんに
息を切らしながら天地さんが言った
「もう一周いきましょうか」
汗まみになった小泉さんが言うと
「無理…もうしんどい」
天地さんが座りこんだ
(この人スタミナ無いのか)
天地さんは、凄い勢いで
持ってきたスポーツドリンクを飲み干していた
「じゃあ…」
小泉さんはなんと、おれに
天地さんの代わりに入れと言った
(よ、よし…)
少し怖かったが、心の中でも自分を奮い立たせた
そして練習が終わった
おれはと言うと…酸欠で座り込んでいた
天地さんがおれを指差し
「酸欠や、アハハハ」
と笑う
(自分もなってたくせに…)
その後みんなは談笑し
帰っていった
おれも酸欠が収まるまで座っていた
立つとまだ、頭がフラついたが
いつまでも座っていられないので
なんとか家に帰った
母親が、おれを見るなり
「あんた、顔真っ青やで。どうしたん?」
「空手空手…」
いちいち説明する元気もなかった
母親が何か言っているみたいだったが
頭には入らず
適当に相槌を打って、自分の部屋に戻った
みんなに追い付くどころか
知れば知るほど
距離の差が、遠くなっていく感じがした
なにが必要なんだろ…
基礎体力…精神面…空手の熟練度…
なにもかもだな…
考えてる間に、おれは吸い込まれるように
眠りに落ちた
天地さんが押され
後ろにバランスを崩した
同時に
カチン
という音がしたと思った瞬間
里田さんの膝が崩れた
なんとか踏ん張ったが
少しフラついてる様子だった
(まただ…)
なぜ里田さんが、そんな状態になったのか
おれからは死角になっていて
見えなかった
「振り大きいし雑やわぁ」
少しモウロウとしている里田さんに
息を切らしながら天地さんが言った
「もう一周いきましょうか」
汗まみになった小泉さんが言うと
「無理…もうしんどい」
天地さんが座りこんだ
(この人スタミナ無いのか)
天地さんは、凄い勢いで
持ってきたスポーツドリンクを飲み干していた
「じゃあ…」
小泉さんはなんと、おれに
天地さんの代わりに入れと言った
(よ、よし…)
少し怖かったが、心の中でも自分を奮い立たせた
そして練習が終わった
おれはと言うと…酸欠で座り込んでいた
天地さんがおれを指差し
「酸欠や、アハハハ」
と笑う
(自分もなってたくせに…)
その後みんなは談笑し
帰っていった
おれも酸欠が収まるまで座っていた
立つとまだ、頭がフラついたが
いつまでも座っていられないので
なんとか家に帰った
母親が、おれを見るなり
「あんた、顔真っ青やで。どうしたん?」
「空手空手…」
いちいち説明する元気もなかった
母親が何か言っているみたいだったが
頭には入らず
適当に相槌を打って、自分の部屋に戻った
みんなに追い付くどころか
知れば知るほど
距離の差が、遠くなっていく感じがした
なにが必要なんだろ…
基礎体力…精神面…空手の熟練度…
なにもかもだな…
考えてる間に、おれは吸い込まれるように
眠りに落ちた
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