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座敷牢。

[631]  睦月  2009-03-14投稿
あれは、じりじりと照り焼きになりそうなくらい暑い暑い夏のことだった。



当時小学四年生で、夏休み中だった私は、両親の離婚調停のため、母方の祖母の実家に預けられていた。

その日は午前中、何もやることがなくて、いつもなら最後の最後にやってしまう夏休みの膨大な宿題も、自由研究と絵日記を残して全部おわってしまった日だった。

「つまんない!」

わたしは思わずそう声をあげた。
唯一の暇つぶしは終わってしまったし、この家にある本といえば細かい字の本や分厚いハードカバーか辞典しかない。漫画でもあればよかったのにと、恨めしく思った。

近くに友達もいなくて、遊べない。たまたま昨日、近くの公園にいた子たちに遊ぼうと誘ったら「都会ものとは遊びたくない」と石を投げられて怪我をした。

おばあちゃんは激怒してその子のうちに怒鳴り込んだので、しばらくは警戒されるだろう。

額の傷はずきずき痛むし、最悪な夏だ。

わたしは四年生の子供に似合わないため息をついた。

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