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あの日の夜?

[500]  2009-03-14投稿
それから会う度彼女は激変していった。治療の辛さを話す時もキョウはキョウだった
「もう 日によって食べられへんねんけど痩せていいかも… 髪は面倒臭いからそってん!楽やでっ」
ゲッソリ痩せたキョウは折れそうだ。頭は帽子で隠していたけどスキンヘッドに剃っていた 変わらないのは豪快な笑い方と話し方だけだった
「キョウは美人やから何をしても似合うよな 早く元気なってカラオケ行こう!!」
治療のせいで動ける日と寝込んでしまう日があるとキョウは言って、いつも最後は「体調良い時連絡するわぁ」で電話は終わり数ヵ月空くのだ。連絡が無くなると心配になって私から電話した
心配はあったけれど不安は無かった。いつも話すキョウは明るく 会う時は体調の良い時なのでいっぱい話して笑っていたから…

ある節分の日 お手製の巻き寿司と旅行のおみやげを持ってきてくれた。癌発覚後 旦那の借金や仕事をしない等の理由で直ぐに離婚したキョウは体調良く 動ける時を見計らって子供や親と旅行によく行く様になっていた。
癌は手術摘出後 回復している 勝手に私は思いこんでいた。キョウから再発・転移の話を聞いた時 初めて怖くなった。電話の向こうで「早くカラオケ行こう!じゃあないと もう行かれへん様になるから…」慌てた様子でキョウは言って会える日を聞いてきた。 もともと涙もろい方で無い私は大人になると滅多に泣かなくなっていたけど…その日はいっぱい声をあげて泣いた

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