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夢の中 2

[346]  夏蝶  2009-03-20投稿
じゃり

じゃり



境内に敷き詰められた玉砂利の音が、辺りにこだましました。闇夜に吸い込まれてゆく音を聞きながら、まるでこの世に、私一人しかいないような心地がしておりました。しかし不思議と、寂しさや、恐ろしさは感じることはありませんでした。


一つ…二つ…三つ目の朱塗りの鳥居をくぐると、光の正体が目に飛び込んでまいりました。それは無数の提灯の灯りでした。紅い提灯は、宙に浮かび、気づけば道の両端に、彼岸花の海が広がっておりました。
「ここは一体…」



りーん

りーん


どこからともなく、鈴の音が聞こえてまいりました。澄んだ音色は、どこか夢見心地だった私の意識を、はっきりと覚醒させてゆきました。

これは夢ではない。そうはっきり確信いたりました。

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