咎 6
現在彼がいるのは12階へと向かう昇降機の中。すでに60年以上経過したが彼の外見に変化は一切見られない。ここまで来るまでに5体の人審士に会ったが全てが個性的な者ばかりだった。自我はあるが何も喋らない者、狂った者、ひたすら戦いを求める者、闘わず死を選んだ者。全てに何かあった。そういう者たちとの出会いで彼は少しずつ変化していった。最初に自分を認識したときには無かった物。本当に小さな物ではあるが確かに今は感情と呼べる物がある。
彼は昇降機の中で座り込み体の活動を全停止し瞑想に似たことをしていた。そして今まで闘ってきた人審士を思い出す。そして今まで会った全ての人審士を手に掛けた場面が続いて浮かび上がってくる。人審士たちを殺さずとも何か別の方法で上に上がることができたのではないだろうか。彼は最近そのことばかり考えている。もし、最上階まで行ったとして自分の納得のいく結末を迎えられなかったら人審士たちの死は全くの無駄になってしまうだろう。いや、それ以前に私の望む結末とはなんだ…。
昇降機が目的地に到着し12階への扉が開かれた。
彼は昇降機の中で座り込み体の活動を全停止し瞑想に似たことをしていた。そして今まで闘ってきた人審士を思い出す。そして今まで会った全ての人審士を手に掛けた場面が続いて浮かび上がってくる。人審士たちを殺さずとも何か別の方法で上に上がることができたのではないだろうか。彼は最近そのことばかり考えている。もし、最上階まで行ったとして自分の納得のいく結末を迎えられなかったら人審士たちの死は全くの無駄になってしまうだろう。いや、それ以前に私の望む結末とはなんだ…。
昇降機が目的地に到着し12階への扉が開かれた。
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