髪No.3
最初は迷った事に気ずかず提灯が垂れ下がる、暗い夜道を歩いていた。
でも知らない道につき出たもんだから探検心が強い俺は知らないくせに夜道をどんどん突き進んでいった。
ちょっと行った所に小さな神社があって提灯の灯火に照らされた赤い砦があって行き止まりとなっていた。
そのすぐそばは川になっていてこれまた提灯というので足元を照らされた橋は幻想的だった。
こんな穴場みんな知らないなんて・・・・ラッキーだ。
そう思った俺はみんなに知らせたいと、橋の途中で踵を返して元来た道に戻ろうとした。
ほんとは少し怖くなって戻ろうとしたんだと思う。でもその時の事は今となっては思い出せない。
でも振り返った先には誰か向かって来るという事が解った途端。
体が動かなくなり不思議と辺りの風も止まって冷や汗が体中から噴き出した。
これはヤバい。
今まで会った事のない感じだった。
橋をゆっくりと歩いてくる人は顔は見えなくて髪が真っ黒で長かったのを強く覚えている。
その人が丁度、橋の真ん中辺りに差しかかった時何かが水に落ちる音がした。
ざぶん・・・と
体は動けないけど目だけは動いてしまう俺は見てしまった・・・・・。
ぷかりと浮く女の死体を・・・。
この時、鳥肌が全身にたって・・・その後の記憶は覚えていない。
目を覚ました俺はふみバァの家の布団で寝てたから。
なんでも俺は山の少し入った茂みで発見されたらしい。
俺は橋の話をふみバァに話した。
でも
神社はでっかいのの一つしかないし、橋も赤い色のやつなんてないけどねぇといっていた。
それじゃあ。あれは夢だったんだ・・・・俺はそう前まで思っていたんだ。
けど最近知った。
発見された俺の足首には長い黒い髪が絡まっていたと。
怖がると思って母親が隠していてお祓いは一応してもらったとか・・・・・。
ほんと勘弁してほしいと心底思った。
でも、それからは俺は霊というものは見なくなった。
あれは何だったんだろうか。
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