携帯小説!(スマートフォン版)

RED SIGNAL

[591]  joker  2009-04-05投稿
 「フンフフ〜ン♪」
陽気な鼻歌を歌いながらフライパンを振る男がいた。 男は、見た目二十代前半といったところ。背は高く180cmほどはある。しかしその体には不釣り合いなほどに、手足が長い。
全体的にヒョロっとしている上に顔は、甘い顔のイケメン。だが非力な印象は受けない、そんな不思議な男である。
 どうやら男はオムライスでも作っているらしい。 炒めていたご飯を一時おいておき、冷蔵庫に向かう。「おお♪」
笑顔で帰ってきた男の手にはケチャップがあった。
そのケチャップは新品らしく中の内蓋(銀色のヤツ) をはがし、ケチャップをご飯にかける。
その後、もう一つのフライパンで卵を焼く。
 ケチャップライスを皿に乗せ、部屋のテーブルに運ぶ。この部屋、白を基調とした部屋・・・であったと思うのだがペンキで真っ赤に塗られている変わった部屋である。そして、そのケチャップライスの上に卵を乗せる。そして、その卵の上からケチャップ。字や絵等を書くことはなく、無骨に、且つ大胆にケチャップをかける。かけ終わったケチャップの空袋(!)を捨てる。・・・そうなのだ。この男、ケチャップが好きなのだ。ただし、ケチャップが好きなのではない。赤色が好きなのだ。
 男は20分ほどで完食し、外出用の服に着替える。
無論赤い服である。
「さあ、今日も仕事に行きますか」
男は気だるい感じでそう呟き、メッセンジャーバッグを肩から掛けて家を出た。

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