携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 恋愛 >> 好きと言えなくて…(7)

好きと言えなくて…(7)

[597]  優風  2009-04-14投稿
“ジリリリ、ジリリリ”八時にセットしていた目覚まし時計が動き始めた。僕は眠たい目をこすりながら重たく感じる身体を起こして目覚まし時計を止めた。大きなあくびをしてからもう一度、目をこすり、それから眠気眼のままトイレに入った。
今日は加奈の家でクリスマス会が行われる日だった。十時に加奈の家に集合する事になっていた。洗面所で顔を洗ってからキッチンへと足を向けた。キッチンでは、母親の“幸"が父親の“修一"が食べた後の食器を洗っていた。
「あら、おはよう」
僕に顔を向けたものの手を動かす作業を続けながら挨拶をしてきた。
「うん、おはよう」
まだ、完全に眠気が覚めてない顔で挨拶を返す。
「そこに朝ご飯用意してるでしょ。早く食べて」
テーブルの上にはバターを塗ったトーストが一枚と目玉焼きにヨーグルトが用意されていた。たまに日本食の時もあるが西条家ではほとんど朝食は洋食だった。時間的な事もあるからだろう。父親は毎朝、七時半には家を出る。僕は冬休みだから学校に行かなくていいけど父親はそうはいかない。僕達、家族を養う為にも嫌でも会社に出勤しなければならない。
僕はコップに牛乳を注ぎレンジで温めてから食べ始めた。トーストを食べていると母親が、
「今日、お昼いらないんだよね?」
と、問うてきた。
「うん、今日は加奈んちでクリスマス会やるんだ。だから、夕方まで帰らないよ」
そう言ってから僕は牛乳を口にした。
朝食後、着替え等の用意をしてから僕は家を出た。僕の家から加奈の家まで自転車で十五分程だ。今日、加奈の家に集まるメンバーは僕を含めて八名だ。クリスマス会という事もあって皆でプレゼントを交換する事になっていた。ただ、交換するのではなくプレゼントに番号札をつけくじを引いて行うというやり方だ。去年はリストバンドをプレゼントに持って行った。そしたら、そのリストバンドは大介が引き当てた。だが、自己管理が下手な大介は半年もしないうちに無くしたようだった。僕はと言えば弘昌が買ってきた文房具セットだった。“文房具って"と思わず突っ込みたくなった。今年は自分がほしかったキャップをプレゼントにする事にした。運が良ければ自分で自分が買った物を引き当てる可能性もあるからだ。そんな事を考えながら加奈の家へと急いだ。

感想

感想はありません。

「 優風 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス