思い出の足跡(37)
・ まさか両想いだったとは全く想像してない事だった。正直、美香の話しを聞いた僕は戸惑いを隠せない状態でいた。あの頃は思春期を迎えていた事もあり、それに加え恋愛感情を抱いた事によって神経過敏となり自意識過剰になっていたのだ。
・美香から上着を受け取り、“少し歩こう”と促した。とにかく今のこのギクシャクした雰囲気をなんとかしないと考えた。
「そういえば修学旅行ってどこ行った?」
僕が聞くと美香は一つ一つ修学旅行のコースを説明してくれた。
「やっぱ同じコースなんだね。で、最後はプラネタリウムへ行ったんでしょ?」
「うん。なんかずっと見てると自分も引き込まれそうな感覚になった」
「引き込まれるか。俺、いすが倒れてからあまりにも気持ち良くて寝ちゃったけどね」
「えー、もったいない。プラネタリウムの雰囲気あんまり味わってないじゃん」
「そうなんだよなぁ。まぁ、それ以来一度もプラネタリウムには行ってないんだけどさ。後さ、歯医者でもいすが倒れるじゃん。でも、あれは全然寝れないんだよね」
「プラネタリウムと歯医者はまた別で違うでしょ」そう言って美香は笑った。
「でも、歯医者でいすが倒れる時って宇宙船に乗ってる気分にならない?」「ならない!多分、貴士君だけだよ。それに宇宙船に乗った事ないからまずその感覚がわかんたいし」
「まぁ、普通の人より感覚ずれてるかもな、俺」
「あっ、開き直った」
また美香が僕の顔を見て笑った。僕も一緒に笑った。それから、美香の手を繋ぎ「もう少し暖かくなったらプラネタリウムじゃなくて今度、本当の星空を見に行こうよ!」
「本当の星空!?」
「うん、北海道とかの草原でさ。寝っころがって天体観測をしようよ」
「北海道、行った事ないな」
「それならなお行かなきゃ。後、函館山からの夜景も見たいんだ。前、TVで見たけどすっごく綺麗だったんだよ。だから、一度行ってみたいんだ」
「それと、蛍も見に行きたいな」美香がそう言った後、僕は立ち止まった。目と目で見つめあい僕はさっと美香の身体を抱きしめた。
「後悔させないから俺と付き合ってくれ」
僕は小声でささやいた。
「あたしなんかで本当にいいの?」
「いいから付き合ってほしいって言ってんだよ」
美香は少し黙ってから、
「最初、始まりは長く感じるけど終わってみるとあっという間なんだよね?」
「終わらせないよ」
そう言って口を塞ぐような口付けを交わした…。
・美香から上着を受け取り、“少し歩こう”と促した。とにかく今のこのギクシャクした雰囲気をなんとかしないと考えた。
「そういえば修学旅行ってどこ行った?」
僕が聞くと美香は一つ一つ修学旅行のコースを説明してくれた。
「やっぱ同じコースなんだね。で、最後はプラネタリウムへ行ったんでしょ?」
「うん。なんかずっと見てると自分も引き込まれそうな感覚になった」
「引き込まれるか。俺、いすが倒れてからあまりにも気持ち良くて寝ちゃったけどね」
「えー、もったいない。プラネタリウムの雰囲気あんまり味わってないじゃん」
「そうなんだよなぁ。まぁ、それ以来一度もプラネタリウムには行ってないんだけどさ。後さ、歯医者でもいすが倒れるじゃん。でも、あれは全然寝れないんだよね」
「プラネタリウムと歯医者はまた別で違うでしょ」そう言って美香は笑った。
「でも、歯医者でいすが倒れる時って宇宙船に乗ってる気分にならない?」「ならない!多分、貴士君だけだよ。それに宇宙船に乗った事ないからまずその感覚がわかんたいし」
「まぁ、普通の人より感覚ずれてるかもな、俺」
「あっ、開き直った」
また美香が僕の顔を見て笑った。僕も一緒に笑った。それから、美香の手を繋ぎ「もう少し暖かくなったらプラネタリウムじゃなくて今度、本当の星空を見に行こうよ!」
「本当の星空!?」
「うん、北海道とかの草原でさ。寝っころがって天体観測をしようよ」
「北海道、行った事ないな」
「それならなお行かなきゃ。後、函館山からの夜景も見たいんだ。前、TVで見たけどすっごく綺麗だったんだよ。だから、一度行ってみたいんだ」
「それと、蛍も見に行きたいな」美香がそう言った後、僕は立ち止まった。目と目で見つめあい僕はさっと美香の身体を抱きしめた。
「後悔させないから俺と付き合ってくれ」
僕は小声でささやいた。
「あたしなんかで本当にいいの?」
「いいから付き合ってほしいって言ってんだよ」
美香は少し黙ってから、
「最初、始まりは長く感じるけど終わってみるとあっという間なんだよね?」
「終わらせないよ」
そう言って口を塞ぐような口付けを交わした…。
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