携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 恋愛 >> セピアカラー(46)

セピアカラー(46)

[602]  優風  2009-04-24投稿
・次の日、出勤して自販機でコーヒーを買い喫煙所に行くと数名いた中に畑中さんの姿があった。とりあえず、僕はそこにいたメンバーに“おはようございます"と挨拶してからタバコに火をつけた。畑中さんは“おう、おはよう”と言ってからタバコを消して喫煙所を出て行った。畑中さん以外にいた年輩の上司達は政治の話しをしていた。僕はタバコを吸いながら黙ってその話しを聞いていた。すると、その中にいた“富山”という上司が“君は今の政治経済についてどう考えてる?”と話し掛けてきた。生憎、僕は政治には興味がない事から、“すいません。政治にはうとくて正直分かりません”と謙遜して言うと、
「これだから最近の若いのはいかんのだよ」
と、皮肉を言った。他の年輩上司も“もっと政治にも関心を持って社会的知識を身につけろ”と吐き捨てるように言って喫煙所を出て行った。僕もそう言われて腹立だしさを覚えたが“すいません"と頭を下げて謙虚に構えた。
・タバコを吸い終わってからパソコンを立ち上げ仕事に取り掛かった。仕事を始めてから三十分程してから美香からメールが届いた。内容は、“今日もお互い頑張ろうね。行ってきます"と、いった内容だった。僕もすぐに返事のメールを送った。そして、携帯電話をポケットにしまい顔をパソコンの画面に戻そうとした時、畑中さんがジロッと僕に視線を向けてる事に気づいた。畑中さんは僕と目が合うとすぐに反らし、パソコンの画面に顔を向けた。多分、舞と別れた事を耳にしたのだろう。“畑中さんの顔に泥を塗ってしまったな”と思うと申し訳なく感じ罪悪感を覚えた。
・食堂で昼食を済まし、喫煙所へ行きタバコを吸っていた。二本目のタバコを吸い初めた時に畑中さんが喫煙所に来た。

「お疲れ様です」
「おう、お疲れさん」

そう言って畑中さんはタバコに火をつけて吸い初めた。半分程、吸ってから、
「別れたんだってな」
「すいません。せっかく紹介してもらったのに本当にごめんなさい」

僕は平たく頭を下げた。

「いいよ、そんなに謝らなくて。二人の問題なんだから俺がいちいち口出す事じゃないだろう」

煙りを吐いてから畑中さんは落ち着いた口調でそう言った。僕はそう言われて少し安堵感を覚えた。

「今日、もし早めに仕事が終わったら飯食いがてらに飲みに行かないか?」

そう言われて僕は“はい”と答えた。

感想

感想はありません。

「 優風 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス