携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> ファンタジー >> 永遠の物語【3】

永遠の物語【3】

[400]  夏姫  2009-04-25投稿
木々が鬱蒼と生い茂っており、昼間でも薄暗く感じる。

この村に来たばかりの人間なら、迂闊に入ろうとはしないだろう。

しかし、姿を現すのは大樹と猪、熊や昆虫ぐらいなもので、至って危険はない。

つまり、外見と中身は一致しないのだ。

それどころか、美しい鳥や澄んだ小川など、行く時々に人々の目を楽しませ、うっかり迷いこんだ旅人に安らぎを与える。

「やっぱここは何回来ても落ち着くよな〜」

クリスはうーんと背伸びをし、辺りをキョロキョロと眺める。

「あぁ、そうだな」

ユアンも同意した。

「ほら、薬草を探すぞ」

二人は、川のほとりに向かった。

「おっ、いっぱい生えてる」

「春だからな」

一面に小さな青の花が咲き乱れ、蝶や蜂がせっせと蜜を探し回ってる。

「ちょっと失礼〜」

そう言ってクリスはどんどんと歩を進める。

「どれ位あればいいんだ?」

「五本もあれば十分だろう」

「かーっ!謙虚だねぇ」

「なくなったら他の人達が困るだろ?」

まぁ、そうなんだけどさぁ、とぼやきながら草をかきわける。

「にしてもさぁ…」

「何だ?」

「この空の下で戦いが行なわれるんだろ?何かさー、やだよな」

「そうだよな。何とかなればいいのにな」

今、この世界では大戦争が起きている。

なぜ始まったのか、何が原因なのか、忘れてしまう位昔からあるものだ。

「いい加減にすればいいのになぁ」

「そうだな」

一本、二本…。

薬草をとっている時のことだった。

「…ん?何だ、これ」

ユアンは地面に落ちている物を拾った。

「何だぁ!?その汚ねぇ布切れは!!」

クリスの言っていることは的外れではなかった。

手の平にちょうどおさまる程度の大きさ。

細く巻かれた巻物状になっている変わった物だった。

感想

感想はありません。

「 夏姫 」の携帯小説

ファンタジーの新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス