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世界の果て―3―\n

[530]  夏姫  2009-04-25投稿
「こんにちは」

「…何。誰、アンタ」

隼人は自分の背後にいるミニスカの女に、内心の動揺を悟られないようにしながら尋ねた。

「…覚えていないの?」

「だ・か・らっ!お前のことなんかしらねーって!!」

隼人の怒った表情に女はますます困惑した。

「何で…?」

今にも泣きそうな顔に、隼人は面倒な気持ちになった。

「じゃあ、テメーは一体どうやって俺のこと知ったんだよ」

「…今日会ったじゃない」

「はぁ!?」

女のキッパリとした物言いに、隼人の脳内は余計混乱していった。

「…お前に?…いや、絶対に会ってねぇ!」

「だから、会ったんだってば。今日、夢の中で」

「…!!」

その一言で、一気に思い出した。

(そうだ、コイツに俺は会った。…夢の中で!)

赤と黒を基調とした女の子らしい出で立ち。短い金髪に左耳の十字架のピアス。その全てに見覚えがあった。

「…思い出してくれた?」

床に座って上目遣いに隼人を見る。

「…あぁ」

どことなく気まずそうに頷いた。

「…よかった」

ホッとしたように笑う女の子に、隼人は尋ねた。

「お前、名前は?」

「ルミ」

そう言って、可愛らしい微笑みを浮かべた。

「ルミ…」

隼人はその名にも聞き覚えがある気がした。

「なぁアンタ。じゃなくて、ルミ。今日以外にも…、今日以外にも、俺と会ったことあるか?」

「うん、実はね」

「…いつ?」

そう尋ねた途端、ルミは黙ってしまった。

まるで、どこまで離せば良いかを考えるかのように。

「実は…。…あなたが生まれるずっと前から」

「ゼンセ、ってことか?」

「……うん」

信じられないと思う自分と、そうだと信じている自分がいて、隼人の心はざわめいた。

(俺、一体ルミの何を知ってんだ?)

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