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サイ=アラン(第2世)?

[432]  サイ=ノート  2009-04-25投稿
4,解明
 研究スピードが以前に比べ増したのは言うまでもない。併せて、2人では出来なかったことが出来るようになったのも事実だ。そしてこの日、レイドはついにベノムの正体を突き止めた。正体と言っても、それの製造方法が解っただけなのだが、レイドシニアの代から全く進歩がなかったベノム研究なので、5人とも大喜びした。
 しかしこれは必ずしも喜ばしい事ばかりではなかった。前述の通り5人は国を信頼している訳ではなかったので、正体の件を公表して良いものかということだった。もし国にベノムを悪用する者がいれば、その者を中心に第2のトロイモクバが生まれることになる。解明した者…公表した者…あっと言う間にエターナル大学が悪者にされてしまうのだ。しかし、ベノム研究の進歩の度に多大な報酬を国が約束している事実もある(尤もこの事からも国を疑える訳だが)。これも前述の通りベノム研究以外はあまり有名ではないエターナル大学は新入の2人に給料を与える余裕すら無かったので、ブラッドレイは心底悩んだ。2人に相談出来るはずがない、かといって独断で決めてその責任を背負う程出来た男でもない…葛藤の末ブラッドレイが選んだ道はサイに相談することだった。
「サイ・・・ワシはどうすれば良いのだ?公表すべきか否か、教えてくれ…。」
気持ちを得ているサイは、全てを察した様子で答えた。
「明日、会見を開きます。そこで、私が公表しましょう。」
ブラッドレイは、それから2、3質問をしたが、サイはその全てに「私に任せて」としか答えなかった。サイはそれからRaid Child Or Ramに向かって行った。ブラッドレイは一刻ほど立ち尽くした。その後で、サイが引き受けてくれた安心感と、一教授に任せてしまった罪悪感が同時に襲ってきたのを感じた。レイドが発見した。サイが公表する。2人はオールマイティーに働いた。私だけが何もしていないのだ。誰かにそう言えばきっと励ましてくれるだろう。「そんなことは無い」と言ってくれるだろう。そう考えてしまう自分にまた罪悪感を持った。そして学長室に走って行った。

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